2016年7月28日木曜日

夢のある仕事のの現実

今月の頭にこんな記事で美容師SNS業界(?)がざわめいておりました


http://junkuwabara.com/?p=7005

http://junkuwabara.com/?p=7023



これは知り合いの美容師さんのブログ記事です。

ここに書かれている「美容師の収入」という部分に関しては、確かにどこもこんなもんではないかなぁ、という事実です。

ネットでは色んな美容師さんの賛否両論の意見が飛び交い、少し荒れていた模様。

僕も中間くらいの立ち位置って感じなんですよねぇ。

共感できる部分と、うーん、という部分が半々みたいな。




・お店の経営には思ったよりもお金がかかる

上記の記事はスタイリストのみのお店、もしくは業務委託のスタイリストで構成されているお店が想定されていると思います。

お店を経営していくにあたって、家賃、借入金の返済、固定資産税、光熱費、、、これらに加えてアシスタントの人件費、お店によってはレセプショニストの人件費も入ってきます。

アシスタントは通常自分の売上はあげることができないので、スタイリストになるまではお店側は投資という形になります。

ここ何年かで新卒一年目の給与の平均もあがってきてますからね。

そして近年で一番割合が増え、サロン経営者の頭を悩ませているのが広告宣伝費。

オフィシャルサイト、ポータルサイト等で月にかなりのお金をかけているサロンも少なくないと思います。

給料の割合はお店により様々だと思いますが、売上をそれなりにあげてもらわなければ、出したくても出せない所も多いと思います。

もちろんムダにオーナーさんの取り分が多いお店もあると思いますが。





・フリーランスという選択


上記の二つ目の記事で書かれていますが、ここ何年かで増殖している形の働き方としてフリーランス、もしくは業務委託という形態があります。

これはお店が給料として支払うのではなく、売上に対して業務委託料として支払うものです。

なのでフリーランス、業務委託の美容師さんは確定申告等を自分で行う必要があります。

僕は一人でお店をやっているので、ある意味経費がめちゃくちゃかかっているフリーランスみたいなもんです。

これからはこの形態を選ぶ美容師さんはもっと増えると予想しています。

独立してお店を持つってのもリスクがあるし、そもそももう乱立し過ぎですからね。

このフリーランスや業務委託に関しても僕の中では否定も肯定もしない、って感じです。

良いと思う部分に関しては、働き方の選択肢に幅がでるということ。

特に出産して復帰しようとする女性美容師なんかにはすごく魅力的ではないかと思います。

今までだとパート形式とかでしたからね。

悪い部分に関しては、業務委託やフリーランスの方で意識が高い美容師さんが少ない事。

一人で仕事をする状況になって、ある程度お客様がついていれば、自身の仕事の質を向上させていこうというモチベーションを持ち続けられる人の方が遥かに少ないです。

自分自身しか基準がないですからその意識を持つ事って難しいんですよ。

その上この形態を選ぶ多くの人が「プライベートの時間」を重視する人が多いんです。

若いうちからフリーランスになってしまうと、仕事のレベルが停滞しやすいと思います。

実際10年くらいキャリアあるのにスタイリストデビューして2~3年クラスの子と変わらないレベルだな、って人も見ました。

そういう人と同列に見られてしまうのを嫌がる美容師さんも多くいると思うので、業務委託の美容師さんとある意味住み分けられているのが現状でないでしょうか。





・どうすればこの業界が労働に見合った対価を得られるんだろう

この問題を考えたときに「時間」と「価格」がキーになってくるのではないかと思います。

まず時間に関しては、みなさんもご存知のように拘束時間が長いということ。

営業時間のみならず、お店によってはミーティング、練習会、個人練習、後輩の育成、休日の講習、撮影、、、

僕は正直これらの事が気になりません。

だって自分の時間を投資して自身のスキルアップや後輩の育成をしなかったら、ヘタクソのままでお客様がつかなくて売上あがらなくて給料なんて増えないですよねー、って感覚です。

で、ここに連動してくるのが「価格」という問題になります。

たとえば僕はカット料金が高い方だと¥8,640頂いています。

これは業界平均でも地域平均でもやや高めの設定料金だと思います。

もちろんもっと高い料金設定をされている方も見えます。

その辺がいいのか悪いのかは今回は置いておき、僕はその料金に見合った仕事をするために自分の時間やお金を使ってスキルアップを常に図る事は当然であり、そこに時間を費やす事は当たり前の事だと考えています。

それに加え、お店の運営に関わるシステムやオフィシャルページ等のお客様が使いやすいものであったりサービスである部分を、普通の規模のサロンと遜色ないくらいウチは構築しております。

一方「千円カット」と呼ばれているようなサロンが存在するのはご周知の通りですが、あそこはすべてのムダを排除しています。

単価の低さ故、数をこなさなければならないので相当体力的にはしんどい筈ですが、実はこの手のサロンは利益率がかなり高く、有名サロンよりも給料が良かったりします。

来店されるお客様もある意味割り切って利用をされるので、高いレベルの事が求められる事は少ないでしょうしね。

一番大変なのは、いわゆる「中間の価格帯」のサロンが一番きついのではないかと思います。

おそらく全国的に一番ボリュームソーンとなるカット料金が¥2,500〜¥4,500くらいのところです。(カット&カラーで¥10,000いかないくらいの設定)

そういったサロンに通うお客様はその価格であるにも関わらず、高いレベルの要望を求める方も少なくないでしょう。

そうなればここで勤務する美容師さんたちは、個人差がありますが、夜遅くまで働き、休日も講習等に通うような勤勉さも必要になってきます。

それでいて客数をこなさないと数字をあげれない、、、

誤解を恐れずに言えば、僕は値段相応の価値を提供すればいいと思うし、お客様も値段相応の期待をしてもらいたいと思います。

飲食店なんかもそうですよね?

それなりのレベルを求めるのであれば価格がすこし高めのお店に足を向けるだろうし、安い所を選んだのであれば、こんなもんか、となる筈です。

そうなれば自分の時間を確保したい人は価格設定が安価なお店を選べばいいと思うし、高給を目指すのであれば自分の時間を削ってでも努力して、ハードルの高いお店で働けばいいと思うんです。

ヘタクソなくせに努力もしない人は単価下げるべきですよ。

コレは美容業界だけでなく、サービス業全般に言えますよね。

「サービス業」というくくりだけで高い質を求めるカスタマー側にも責任があると思っています。






・美容師は「夢のある仕事」なのかどうか


僕自身雇われの時代を振り返ってみると、給料が割にあっていたかどうかで言えばあっていないと思いましたが、特別に不満を出していた事はなかったと思います。

それはやっぱりその組織に属していて学べる事が多かったし、経験させていただく事も多かったと感じているからです。

もっと言えばその組織で「夢を見る事ができる」もしくは「自分お夢を叶える事ができる」環境なのであれば、給料に対する不満なんて出ないんじゃないかなぁと思います。

「夢を見る」という中には、それが収入のことと捉えている人もいるでしょう。

おそらく今はそういった事ができているサロンが少ないのではないかと。

そうなればあとは損得しか考えれなくなると思うし、将来的な事を考えればより多くの収入が得れるかもしれない独立やフリーランスの道を選ぶのは必然でしょう。

ある程度のキャリアの男性美容師のいないお店は、そういった夢をみせることのできない、なおかつ働きに給料の見合ってないお店だと思います。

と、まぁ散々言いたい放題言いましたが、大前提は売上をあげる=自分のファンであるお客様を増やす事です。

それができてない人に高い給料を払う事はできませんからね。



僕自身この仕事をやっている事にとても誇りを持っているし、やってきて良かったと感じていますが、「美容師になりたい」という人に自信をもって勧める事のできる職業か、と問われると「やめといたほうがいいよ」とうっかり言いかねないところがあります。

それって多分ほとんどの美容師さんがそうなんじゃないかな。

なんだか不思議な話です。




時代は新しい方向へ既に向かっています。

雇用側もそれを理解しないと若いスタッフは根付きません。

僕も冒頭の記事を書いた桑原さんの動きを応援しています。

願わくは様々な角度で「夢のある業界」となるよう、自分もその歯車の一端として業界の未来のために考え続けていきたいと思います。





名古屋 栄のヘアサロンdwarf
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